外出時や、運転時、日当たりのいい部屋にいる時もサンケアが必要です。
サンケアクリームにはSPF18、24、60などという数字がついていますが
これは、Sun Protect Factorの略で、皮膚を紅くするUVBをカットする効果を示したものです。
SPFとは肌が紅くなる迄の時間をどれだけ引きのばせるかを示す数字で
素肌でUVを浴びると20分で紅くなる人がいたとすると
SPF12のサンクリームを塗ったら、20×12=240分、すなわち四時間は肌が紅くならない
という値です。
SPFは肌が紅くなるのを防ぐべく測定されたもので、
皮膚を黒くするUVAに対する
効果の数字ではありません。
しかし、最近はUVAとUVBの両方をカットするクリームが推奨されています。
それがSPF・PFAと書かれたものなのですが、この数値も高ければよいというのではなく
30分位迄で充分であり、四時間おきにこまめに塗れば安心です。
過敏症の方には、基材にかぶれる場合もありますので、アレルゲンをコントロール
した化粧品で更にUVをカットする成分の配合されたものを使えばよいわけです。
また、一般的にはノンケミカルのUVケアクリームが売られています。
UVは皮膚がん発生の原因ともなりますが、これも若い時にUVに当たりすぎたことに一因があります。
しかし、UVは皮膚の機能を活発にしてビタミンDを作る働きがあります。
ビタミンDの生成には、体の一部に短時間、日光を浴びればよいので
うまく工夫してUVを利用しましょう。
ビタミンDは食物からも摂取できるし、骨粗しょう症のための内服薬も沢山あるので
無理に日光浴しなくても大丈夫です。
五月は陽光だけでなく、全ての樹木が芽を出して成長し、肝の働きも盛んになって
肝陽上亢(頭部に熱を持ち、頭痛やイライラ、めまいなどが引き起こされる)という状態で
神経症状の出る方がいます。
季節の食物を充分に取り入れて、このような状況を作らないようにしましょう。
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■アオキクリニック院長・二宮文乃先生プロフィール
1963年静岡県熱海市にアオキクリニックを開業。
30年以上にわたって、漢方によるアトピー性皮膚炎や皮膚トラブルの治療の
第一人者で漢方界では知らぬものはない大御所の皮膚科名医。
80歳を過ぎてなお衰えない美貌と頭脳を持つスーパーウーマンでもある。
著書に『季節と皮膚の病気』(ドクターフォーラム出版会)など。